今回はアクセス解析で重要な知識となる「直帰率」と「離脱率」の違いを図解と例を使って分かり易く紹介します。
これは意外と分かってるいる様で分かってないWEB用語の代名詞かと個人的に思ってます。確かに少しややこしい違いなので分かっている気がするのは分かるが、曖昧な理解だとアクセス解析で何の役に立たないので、この記事を見に来てくださった事をきっかけにしっかりと理解するタイミングとなれば良いと思います。
離脱率とは?
離脱率は、個々のページのすべてのページビューで、そのページがセッションの最後のページになった割合を示します。
https://support.google.com/analytics/answer/2525491?hl=ja
要するに、ユーザーがexsample.com/page_Aのページに訪れて、その後、exsample.com/page_Bに移動してからサイトを閉じた場合、page_Bで離脱したことになります。この場合の離脱率はpage_Aは0%。page_Bは100%です。
直帰率とは?
直帰率は、そのページから始まったすべてのセッションで、そのページがセッションに存在する唯一のページだった割合を示します。
https://support.google.com/analytics/answer/2525491?hl=ja
ページの直帰率は、そのページで始まったセッションだけが計算の対象になります。
要するに、ユーザーがexsample.com/page_Aのページに訪れて、その後サイトを閉じた場合に直帰したことになります。しかしpage_Aからpage_Bへ移動してからサイトを閉じた場合は直帰とならないです。
「直帰率」と「離脱率」の違いを図解で説明
セッション開始別にいくつかのユーザーがABCのページを回遊したパターンを例に説明します。
ページA開始
- 6人のユーザーがpage_Aに訪問。3人がサイトを離脱。
- うち、3人がpage_Bに移動。1人がサイトを離脱。
- 次に、2人がpage_Cに移動。2人がサイトを離脱。

この場合はセッション開始時のpage_Aから離脱した3人は直帰した事になります。その他の3人は他のページで離脱したので直帰に含まれません。
page_A | 直帰率50% 離脱率50% |
page_B | 直帰率0% 離脱率16% |
page_C | 直帰率0% 離脱率33% |
ページB開始
- 6人のユーザーがpage_Bに訪問。2人がサイトを離脱。
- うち、4人がpage_Aに移動。3人がサイトを離脱。
- 次に、1人がpage_Cに移動。1人がサイトを離脱。

この場合はセッション開始時のpage_Bから離脱した2人は直帰した事になります。その他の4人は他のページで離脱したので直帰に含まれません。
page_A | 直帰率0% 離脱率50% |
page_B | 直帰率33% 離脱率33% |
page_C | 直帰率0% 離脱率16% |
ページC開始
- 6人のユーザーがpage_Cに訪問。0人がサイトを離脱。
- うち、6人がpage_Bに移動。3人がサイトを離脱。
- 次に、3人がpage_Cに移動。3人がサイトを離脱。

この場合はセッション開始時のpage_Cから離脱した0人なので直帰した人はいません。6人全員が他のページで離脱した事になります。これは非常い良い結果です。
page_A | 直帰率0% 離脱率50% |
page_B | 直帰率0% 離脱率50% |
page_C | 直帰率0% 離脱率0% |
「直帰率」と「離脱率」の算出
次に先ほどの3パターンの一人一人のユーザーの動きを分析して各ページの直帰率と離脱率を算出します。
ページA開始のユーザーの動きを1人ずつ見ていくとこうなります。
- page_A > 離脱
- page_A > 離脱
- page_A > 離脱
- page_A > page_B > 離脱
- page_A > page_B > page_C > 離脱
- page_A > page_B > page_C > 離脱
ページB開始のユーザーの動きを1人ずつ見ていくとこうなります。
- page_B > 離脱
- page_B > 離脱
- page_B > page_A > 離脱
- page_B > page_A > 離脱
- page_B > page_A > 離脱
- page_B > page_A > page_C > 離脱
ページC開始のユーザーの動きを1人ずつ見ていくとこうなります。
- page_C > page_B > 離脱
- page_C > page_B > 離脱
- page_C > page_B > 離脱
- page_C > page_B > page_A > 離脱
- page_C > page_B > page_A > 離脱
- page_C > page_B > page_A > 離脱
離脱率
- ページ A: 69%(ページ A を含むセッションが 13 回、ページ A から離脱したセッションが 9 回)
- ページ B: 33%(ページ B を含むセッションが 15 回、ページ B から離脱したセッションが 5回)
- ページ C: 33%(ページ C を含むセッションが 9 回、ページ C から離脱したセッションが 3 回)
直帰率
- ページ A: 50%(ページ A で始まったセッションが 6回あります。うち半数がそのまま離脱しています。)
- ページ B: 33%(直帰率は離脱率より大きい数値になることはありません。なぜなら直帰も離脱に含まれるからです。)
- ページ C: 0%(ページ C から始まるセッションで直帰が発生していません。)
「直帰率」と「離脱率」の解析
最後にpage_A~page_Cの直帰率と離脱率の合算を解析し分析します。
ページA | 直帰率50% 離脱率69% |
ページB | 直帰率33% 離脱率33% |
ページC | 直帰率0% 離脱率33% |
page_Aはユーザーの求めた情報がしっかり表示されており満足度が高いために直帰が多いという事が分かります。しかも別ページからの回遊先にも選ばれ易く優秀なページでしょう。しかし離脱率の多さからpage_Aからの回遊率は悪いようです。
page_Bはバランスの取れたページでしょう。満足度の高いユーザーもいれば他の記事への誘導もしっかりされているので理想的な形です。
直帰率の少ないpage_Cはユーザの求めたページでは無かった可能性があります。ただ関連記事などで別のページに移動し易いという事が分かります。そのため回遊率の高いページになってます。
以上が「直帰率」と「離脱率」の違いを図解と例を使って分かり易く説明でした。
この様なデータを算出できると、どの様な改善が必要かが見えてきます。サイト運営者は必ず覚えておきましょう。