今回は新規でWEBサイトを立ち上げたい、サービスページを作りたい、自分のポートフォリオサイトを作りたい、ネットショップを作りたいなど、様々な用途で考えた適切なサーバー選びの方法を紹介します。
「サーバー」と聞くだけでよく分からん。だから一先ず料金が安いものでいいや。とりあえず高性能なものにすれば間違えないだろう。そんな感じで考えているなら少し待って下さい。サーバーは言わばWEBサイトの一生のお供です。サーバーによって事業の今後、収益の幅、サイトの品質などに大きな影響があります。そのため軽い考えでサーバーを選ぶと必ず後悔します。
一生のパートナーとなるサーバーだからこそ真剣に考えるべきです。どう選択すれば良いのか分からないのであれば、是非このブログを読んでからもう一度考え直してみて下さい。
サーバー選びで確認・意識・注意すること7選!!
早速ですが、結論から申し上げますと以下の7点を必ず確認・意識・注意をしましょう。
- サーバーの種類を知る
- 自分に合ったサーバーを知る
- スペックを確認する
- 転送量は良いものに
- 表示速度は早いものに
- 料金は費用対効果を意識する
- サポート体制は意外と大事
常にこの7点を意識すれば間違えない選択が出来るはずです。
*ここでいうサーバー基本的にレンタルサーバーです。
次で各々解説します。
サーバーの種類を知る
レンタルサーバーは大きく分けて以下の4種類のサーバーがあります。
- 共用サーバー
- 専用サーバー
- VPS(仮想専用サーバー)
- クラウドサーバー
同じサーバーでも内容や料金は大きく違います。これを知らなければ自分のサイトに合ったサーバー選びが出来ないので必ず理解しておきましょう。
共用サーバーはコスト重視
共用サーバーは、その名の通り共用しているサーバーです。シェアハウスのように住処を共有するのと同じで、巨大なサーバーにいくつかのサーバーが入っていて共有しているサーバーのことを言います。
一般的なレンタルサーバーは全てこの共用サーバーになっています。
- 料金が安い
- メンテナンスが無い(勝手にやってくれる)
- 簡単
共用サーバーの一番のメリットはやはり料金が安いことでしょう。
ロリポップ! | 最安価格 100円 |
さくらのレンタルサーバ | 最安価格 131円 |
お名前.comレンタルサーバー | 最安価格 900円 |
そしてメンテナンスに関しては、各々の内部エンジニアがまとめて行っているのでレンタルしているユーザーは何もしなくても言い訳です。それ故に管理が簡単で技術も必要ないため初心者向きのサーバーになっています。
- 自由度が低い
- 他のユーザーの影響を受けやすい
ただデメリットももちろんあります。
共用サーバーは他のサーバーと比べたら少し自由度は低いと思います。OSカスタムなど高度な設定変更はシェアしてるサーバーなのでどうしても出来ません。ただしWEBサイトやツールに影響を及ぶレベルでは無いので気するほどでは無いと思います。
しかし、大きなデメリットとして挙げられるのが、他のユーザーの影響が受けやすい点です。例えばアクセス数が非常に大きいサイトが同サーバー内にあると、他のサーバーに少し影響があります。ただ、この点はサーバー会社によって大きく違いがあります。粗悪なサービスをしてる会社だとギリギリまでユーザーを詰め込んで影響が受けやすいです。反対に優良な会社だとユーザー数を制限しているのでリソースに余裕があるので、殆どこのような影響はありません。
専用サーバーは超ガチ向け
専用サーバーはその名の通り専用で使用できるサーバーです。共用サーバーがシェアハウスなら、専用サーバーは持家です。
自分の好きなようにカスタマイズができるし、他の影響も受けることがありません。その代わりに価格帯は一気に上がりますので、本腰で大規模なサイト、サービスを設計するためのものだと考えて下さい。
- 自由度が高い
- 他のユーザーの影響を受けない
専用サーバーは、1台のサーバーを1ユーザーが使用するため好きにカスタマイズが出来ます。この自由度はの大きなメリットです。
また他のサーバーの影響も受けないので理不尽なサーバーダウンなども起きず非常に安定した運用が可能となります。
- 料金が高い
- 専門知識が必須
専用サーバーは価格帯が他のサーバーと比べて1桁大きくなります。また専門知識なども必要になるので、その学習コストが大きくなります。知識が無い場合は、そのサービスのエンジニアに依頼することも可能でしょうが、そのコストも非常に大きくなっていきます。
そのためかなり本腰を入れて利益の出せるサービスを展開していく必要があるので、ビジネス向けです。
VPSは共用と専用の中間
VPSは「Virtual Private Server」の略称で、日本語に訳すと「仮想専用サーバー」となります。
その名の通り、仮想空間で専用サーバーを作っています。共用サーバーと専用サーバーの間に値するサーバーだとよく言われています。
と言ってもよく分からないと思いますので、もう少しわかりやすく説明しますと、サーバーを共有していることは共有サーバーと同じなのですが、ユーザー毎の専用領域を仮想的に作成しています。その領域を専用的に使用することが出来ます、そのため疑似に専用サーバーと同じ状態になっているのです。
よく共用サーバーがシェアハウスに例えるなら、VPSはマンションに例えられます。マンションの一室は自分の専用領域になりますね。
- 料金が安い
- 自由度が高い
- 他のユーザーの影響を受けやすい
VPSのメリットは共用サーバー並みの価格設定と、専用サーバー並みの自由度の高さ、影響の受けにくさ、とお互いの良いところを取ったかの様なサーバーです。
ただしどのメリットも双方以下であることは間違えないです。
- 専門知識が必要
- 中途半端?
VPSは、そのカスタイズ性の高さから求められる技術力が高いです。専用サーバーほど全てが扱えるわけではないが、それなりな知識は必要になるので学習は必須でしょう。
またメリットでも触れたが、どこをとっても共有サーバーと専用サーバーの中間なので、なんだか中途半端なイメージです。
クラウドサーバーは上級者向け
クラウドサーバーとは、ネットワーク上にあるどこからもアクセス可能なクラウドサービスの一つです。代表的なものにAWS(Amazon Web Service)があります。
クラウドサーバーは仮想サーバーなので、幅広い拡張、カスタマイズが出来る特徴があります。それ故に非常に高度な技術・知識が必要とされ上級者向けのサーバーです。
また、料金システムが従量課金制であることが多いです。要するに受送信するデータ量(アクセスなど)が多いほど価格が増えていきます。その特性がら個人利用はお勧め出来ません。
- 最高レベルのカスタム性能
- データ量が無限に近い
クラウドサーバーのメリットは、最高レベルのカスタム性能です。AWS設定項目は余裕で20は超えます。これだけで一冊の本が作れるレベルでカスタム性能の高さが窺えます。
また、従量課金制なのでお金が尽きるまでデータ量は無限です。その特徴がら超大量アクセスがある大規模サイトや一時的に急激なアクセス上昇のあるイベントサイトなどによく使用されます。
- 料金が跳ね上がる
- クラウドサーバーの知識が必要(AWS)
クラウドサーバーを使用すると、その料金に度肝を抜かれるでしょう。ただしその分のアクセス(使用量)があったことを意味するので落ち込む事はないです。ただしその金額感は個人には厳しいです。
またクラウドサーバーは特徴的な部分が多くあり、サーバーの知識に身ならず、クラウドサーバー(主にAWS)の知識も同時に学習する必要があります。非常に難しいですが、今後のクラウドサーバーは更に発展を遂げるとの噂なので学んでおいて損はないでしょう。
自分に合ったサーバーを知る
これまで4種類のサーバーを説明しましたが、その中で貴方にとっては、どちらのサーバーが適しているのかを紹介します。
サーバー選びでは、先に解説したサーバーの特徴を把握して、自分で作ろうとしているサイトの規模でやりたい事が出来るのかをベースに考えましょう。そして、そのサーバーは自分で扱えるのか?自分には知識があるのか?もしくは、これから学んでいくのかを想定して決めましょう。決して価格帯の良し悪しで決めるような事はしないようにしましょう。
一部の例ですが、サーバーを使用する人は主に以下の様な人物・用途があると思います。
- WEB制作会社(WEBサイト全般)
- 起業家(コーポレートサイト)
- 個人ブロガー(ブログサイト)
- ネット販売者(ECサイト)
- システム開発者(WEB サービス)
- アプリ開発者(アプリ)
これらの用途・人物像を想定して適したサーバーを考えていきます。
WEB制作会社(WEBサイト全般)については以下の全てを想定しています。
起業家(コーポレートサイト)に関しては、データ量はそこまで行かないはずで、静的サイトの場合が多いので1000円〜2000円程度の最低限のサーバーでいいかと思います。
個人ブロガー(ブログサイト)に関しては、共用サーバーで十分ですが、サイトのスピードが気になるので共用サーバーの中でも高性能なものを選びましょう。
ネット販売者(ECサイト)に関しては、販売する商品数にもよりますが容量の大きいものを選びましょう。また金銭的なやり取りが起きるのサーバーエラーなどは信頼問題となるので、なるべくVPSもしくは専用サーバーが良いと思います。
システム開発者(WEB サービス)に関しては、サービスの信頼を高めたいのであれば安定したサーバーを利用すべきです。また従来課金制のサービスにしてしまえば、ビジネス的にクラウドサーバーにすることが最も理想的だったりします。(最近のサブスクリプションのサービスはクラウドサーバーのことが多いです。)
アプリ開発者(アプリ)に関しても、システム開発者(WEB サービス)と一緒で安定したサーバーにしましょう。またクラウドサーバーでサブスク化もしやすいです。
人物・用途 | 最適サーバー | おすすめサーバーサービス |
---|---|---|
WEB制作会社(WEBサイト全般) | 共用サーバー、VPS、専用サーバー、クラウドサーバー | お名前.com レンタルサーバー さくらのVPS |
起業家(コーポレートサイト) | 共用サーバー | さくらのレンタルサーバ |
個人ブロガー(ブログサイト) | 共用サーバー | カラフルボックス |
ネット販売者(ECサイト) | VPS、専用サーバー | さくらのVPS |
システム開発者(WEB サービス) | VPS、専用サーバー、クラウドサーバー | さくらのVPS |
アプリ開発者(アプリ) | VPS、専用サーバー、クラウドサーバー | CPI |
スペックを確認する
次にやりたいサイトやサービスではどのくらいの容量を使用するのか?アクセスが爆発する可能性があるのか?などを大雑把に判断して、それに見合ったスペックのサーバー/プランを選択しましょう。
例えば、カラフルボックスというサーバサービスの価格帯ではBOX1(最安値480円 /月)〜BOX8(最安値13,980円 /月)があります。結構な差があるので安易に選択するのは危険な香りがします。
よくある普通のWEBサイトを制作したい場合は、ディスク容量が300GB、メモリが6GBある転送量目安 / 月目安が6TBあるBOX2のプランで十分です。同一サーバーに複数サイトを運用したいなら心細いので、諸々おおよそ倍になったBOX5プランにすれば十分だと思うます。
一般的なブロガー(アフィリエイトなど)ならBOX2のプランで十分。画像などを大量に使用するギャラリーサイトだったら少しグレードをあげてBOX4位で良いと思います。
また、ECサイトでは商品数が異常な数にまでなる場合も想定できるので、予め容量が大きいプランにしておくなど先を見据えた契約をするのがおすすめです。
転送量も確認しよう
転送量は、アクセスがあった時の送られるデータ量の上限を指します。アクセスが集中するとサーバーに大きな負荷がかかるため、転送量が制限されています。
WEBサイトの1PVの転送量はおよそ3MBです。すなわち1日のPV数が1万PVのサイトだと1日の転送量は約30GBです。1ヶ月では900GBです。
という事は、1日1万PVあるサイトでも1ヶ月に1TBも使わないことがわかります。
お名前.comレンタルサーバーの場合は9.0TB/月(転送量目安)なので十分すぎる数値だということが分かります。というより、他のサーバーの転送量を確認していただいても分かる通り、月30万〜300万PVくらいのサイトでしたら心配する必要は全くありません。
しかしギャラリーサイトや、WEBサービスなど一回のデータのやり取りが大きいものは少し気をつける必要があります。CORESERVER(コアサーバー)の場合は転送量は無制限になっていますので、この辺の悩み解決できます。
表示速度は早いものに
WEBサイトの表示速度はSEO的にも非常に大事な要素になっています。表示速度はサーバーの違いでも大きく変わる要素なので、サーバー選びの段階でも早いものを選ぶように心がけましょう。
スピードに関して、着目したい点は以下の3点です。
- SSD使用
- データ伝送速度(Gbps)
- Apache、nginx、Lightspeed
今時HDDを使用したレンタルサーバーは珍しいが必ずSSDを使用しているかを確認しましょう。これは天と地の差でSSD使用サーバの方が早いです。
データ伝送速度(Gbps)は決まったものではありませんが、インターネット上のクチコミや、公式サイトでの言及によってある程度判断する必要があります。だいた1Gbpsでも出ていれば良いが、数値が高いほど優秀です。
Apache、nginx、Lightspeedは、ウェブサーバーの種類です。簡単に言うとApacheはシェア率一位の王道ウェブサーバー。nginxはスピードに優れた高速サーバー。Light speed engineは最近出てきた超スピードを実現したウェブサーバーです。
こう聞くとLightspeedが最も良いように思えますが、新しいウェブサーバーのためまだ信頼性が確立されてない点、安定性にかけるなどデメリットもある様です。nginxに関してはスピードも早く信頼性も高くお勧めです。しかし世間ではApacheを使用することが主流なのでネット上でのバックエンド技術の情報がApacheばかりなので苦労するかのうせは高いです。
ConoHa WINGというサーバーはSSD搭載でnginxを使用していてスピードが早いと有名なサーバーです。
料金は費用対効果を意識する
サーバーの料金に関しては絶対に「安いからこれ」「高いからこれ」と言った理由で決めないようにしましょう。
サーバーのスペックや最適化で、貴方のサイトのマネタイズを大きくしていけます。反対にサーバーの最適化が間違った方向にいけば赤字になる可能性もあるのです。
サーバを選ぶ際には、あなたのマネタイズ設計(具体的な想定収益の算出)と必要リソースに対して、サーバー費用とスペックのバランスを見て、サーバー代に還元できるようにしましょう。
例えば、月1万円を稼ぐために頑張ってブログサイトを運用するとします。その際に月/10000円のサーバーを契約したら赤字が続くと思います。1万円程度の収益を目指すなら月/3000円以下のサーバーで十分です。スペックに関してもブログだったら最低限のスペックで良かったりします。
マネタイズ設計(月1万稼ぐ) | サーバー費用(3000円/月) |
必要リソース(ブログサイト/毎日更新) | スペック(最低限) |
サポート体制は意外と大事
サーバーの契約では、実はサポート体制が大事だったりします。
ブログサイトも含め、WEBサイトの運用では、何かあった時のフォローや緊急時のQ&Aというのは絶対に必要になってきます。
1年の大半は何も起きませんが、何か起きた時の怖さわ長く続けるほど増えていきます。サポート体制に関しては、バックアップの仕方や復元のサポートなどもあると思うので、何かあった時の最悪の事態を逃れる可能性も上がります。
信頼度は人それぞれ感じるところが違うとは思いますが、法人で人気なのはCPIレンタルサーバーです。個人利用ではカラフルボックスが人気ですが、サポート体制がプランによって異なる様ですので注意が必要です。
総合的に考えたおすすめサーバーランキング

最後に個人的に考えたお勧めのサーバーをランキング形式で紹介します。
1位・さくらのレンタルサーバ | なんだかんだ信頼が一番。性能良し、プランも豊富、サポート良し。信頼と実績が良し。 |
2位・カラフルボックス | 最新のWEBサーバーであるLight speed engineを搭載しながら、プランが豊富。スピード重視なら一番。 |
3位・ConoHa WING | 高速サーバー。初心者向け。 |
4位・CPI | 法人に最もおすすめなサーバー。KDDIが運営してるので法人に対してのサポートが手厚い。 |
5位・お名前.comレンタルサーバー | ドメインとの連携が楽。 |
他にも沢山おすすめなサーバーはあります。実は一概にこれが良いというのはないので自身で色々と調べていて自分にあったサーバーを見つけて下さい。
以上が「サーバー選びで大事!!確認・意識・注意すること7選!!」でした。少しでもサーバー選びの参考になればと思います。
▼ドメイン選びで重要な事は以下