Macでzipファイルにパスワードを付けようとしても出来ない方へ。今回の記事では、アプリを一切使わず、解凍出来ないエラーも起こさずに、任意のファイルをzipファイルに変換しながらパスワードを付け加える方法を紹介します。
ネット上で「Mac zip パスワード」「Mac zip 暗号化」などと調べるとターミナルを使用した方法がいくつか出てきます。ターミナルを使用すること自体は正しいのですが、簡潔に紹介されている記事ばかりで、解凍しようとするとエラーが起きてしまう方法が広く伝わっている様です。
色々と調べながら検証したところ、エラー無しで出来る方法も簡単に出来るので、解凍出来ないと悩んでいる方は参考にして下さい。
Macでzipファイルを暗号化する方法
まずはLaunchpadからターミナルを開いて下さい。

ターミナルを開いたら、初めに以下のcdコマンドで作業場所を指定し実行(Enterキー)します。今回はDesktopにあるファイルをzip化したいのでDesktopを指定します。
cd ~/Desktop
以下のpwdコマンドを打って実行すると実際の作業場所が確認出来ます。
pwd
~/Desktop(現在の作業ディレクトリが表示される)
実際にターミナルに打ち込んでいくと以下のようになります。

次にzip -eとコマンドを入力してから、作成したいzip名 半角スペース zipにしたいファイル名と入力して実行します。今回の場合は「test.rtf」のファイルをzip化したいので以下の様に入力します。
zip -e test.zip test.rtf
するとパスワードを求められるので任意のパスワードを入力します。(この時にキーを打っても画面は反応しないが入力されているので安心して下さい。)
Enter password | パスワードの作成 |
Verify password | パスワードの確認 |
ここまでを実際にターミナルに打ち込むと以下のようになります。

パスワードの入力が終えたら実行します。すると以下の様にzipファイルが生成されます。

こうして作成されたzipファイルはクリックすると以下の様にパスワードが求められます。もちろん先ほど作成したパスワードを入力すれば解凍されます。

ここまでで紹介した方法はファイルをパスワード付きで圧縮するzip -eのコマンドを使った方法です。zip化するコマンドは他にも以下の種類があります。
zip化するコマンド
コマンド | 意味 |
---|---|
zip | ファイルを圧縮 |
zip -e | ファイルを圧縮(パスワード付) |
zip -r | ディレクトリを圧縮 |
zip -e -r | ディレクトリを圧縮(パスワード付) |
任意の場所のファイルをzip化して暗号化
では別の例も紹介します。
デスクトップ上にあるファイルA(テストフォルダー)の中にあるファイルB(AAAAA)をzip化して、更に暗号化します。
まずは作業場所をDesktop/テストフォルダーとします。コマンドは以下。
cd ~/Desktop/テストフォルダー
ファイル(デレクトリーごと)をzipにするには zip -e -r のコマンドを使用します。
一つ前のコマンドでテストフォルダー内の作業になっているので、そのままAAAAAフォルダーを指定してzipに変換します。コマンドは以下。
zip -e -r AAAAA.zip AAAAA
パスワードを作成して実行すれば完了です。

zipを暗号化するだけ(解凍出来ない)
最後に、ネット上でよく見るエラーが起きてしまうやり方も触れておきます。
まずは以下のtest.rtfを右クリックしてzip化します。そのzipに対してターミナルを使って以下のコマンドでパスワードを付けます。
zipcloak ファイルパス(ファイルをドロップ)

この方法だと非常に簡単にzip化する事が出来ますが、肝心の解凍が出来ません。詳しい理由は分かりませんが、右クリックからzip化するとこのような現象が起きるようです。
以上が「Macでzipファイルを暗号化する方法(エラー無し)」でした。
zip暗号化はデータを扱う仕事をしていると必ず直面する課題だと思います。アプリを使うのにも何かしらの制約があるので出来れば今回の方法をマスターしときましょう。